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前回のIIcxに続き Macの筐体+DOS/Vのパーツ+FUSION-PC+MacOS という組み合わせでいきます。

FUSION-PC製品版を購入したこともあって今回は使えるMacを目指します。さらに、よりMacらしくするために今回は以下の目標を立ててみました。


・外観に傷をつけない

・裏のコネクタ類もMacにあわせる

・FDDをソフト上でイジェクト

・ソフト上でパワーオフ


使用機材

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〜我が家に転がっていたパーツ〜

MainBord:ABIT IT5V エセ?ATX…本当はATなんだけど…

CPU:Cyrix 686PR-200GP

RAM:72PinSIMM32MB(EDO)x2+16MBx2 合計96MB

VGA:Matrox MGA Impression Lite(PCI)

SCSI:Western Digital WD7193(PCI)

SOUND:PackardBell Sound Blaster互換(ISA)

LAN:10BASE(PCI) データコピーの際、他のマシンから抜いて使用

FDD:メーカー不明


〜新規購入〜

FUSION-PC v1.2 \12000

FDD:Mitsubishi LS-120(ATAPI) バルク\6000

HDD:WESTERN DIGITAL 540MB(IDE) 中古\1500

CD :LG電子 CRD-8241B(ATAPI) バルク\4000 24倍速スロットインタイプ

電源:ATX230W バルク\3000

筐体:Apple Macintosh QUADRA800 中古\9000 ロジックボード無し


〜追加購入〜

VGA:ACTICS VG375(S3VirgeDX VRAM4MB) 新品\3980

VGA:聞いたこともないメーカー

SCSI:TAKRAM DC-310(SCSI-2) 新品\3980

SCSI:激安カードの定番です

MO:(SCSI 230MB) 中古\12000


その他配線用ケーブル、コネクタ類

※価格は税別、1999年4月のものです。


Windowsインストールでてこずる

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まずは各パーツの仮組みから。 HDDは中古品しかもジャンク扱いだったので正直言って不安だった。とりあえず結線して電源ON。


、、、認識しない


BIOSをいじっているうちになんとか認識するようにはなったものの、今度はSLAVEにしかならない。でもすぐに解決。HDDのジャンパピンの設定が間違ってました。


FDDからWin95DOSモードで起動。 HDDが中古なので中身に使えるデータが残ってないか期待してたけど(※使ったら違法です。くれぐれも)駄目だった。どうやらNEC PC-98フォーマットみたい。


FDISKでパーティションの整理、起動ドライブの設定、フォーマット、システム転送、、、再起動。
ありゃ?
起動しないぞ!


ちゃんとWindowsをインストールするか、、、待てよ、CD-ROMが使えないんじゃない?ドライバーないし、、、 DOS用のCD-ROMドライバーは?付属してなかったよねえ、、、まあこんなものWEB上に転がってるでしょう。
CD−ROMドライブにはGOLDSTAR CRD-8241Bって書いてある。 BIOSではCONPAQ CRD-8241Bと表示される。わからん。中身はCOMPAQ製、ガワがGOLDSTAR製ってこと? GOLDSTARといえば韓国の大手家電メーカのはず。ホームページを持ってないはずがない。
「GOLDSTAR」で検索。
ん?
ヒットしたのはコンピュータとは無縁のものばかり。
次は「CRD-8241B」で検索。
でてきた、でてきた。
検索結果を頼りに某パソコンショップのサイトへ。
そこには商品の価格表が掲載されていたのだが、、、
CD-ROM LG電子製 CRD-8241B \××××
LG電子のサイトにはドライバーは無かったです。苦労したのに、、、
COMPAQのサイトも見てみたけど、こちらも無さそう。


最後の手段は
持ってるドライバを片っ端から試す
CD-ROMドライバは他社のものでも使えるって聞いたことあるし。
Pioneer(1995年製) NG
九州松下(1997年製) NG
TEAC(1998年製) OK!使えた!
これでCD-ROMからインストールできる。
Windows95をインストールしておくと(もちろんGUIで)ファイルの編集とかが楽だよね。 DOSコマンドでファイルをコピーしたり中身をいじったりってめんどくさい。 LANもすぐに使えるから他のコンピュータから必要なデータを持ってこれる。
インストールはとりあえず最小システムで良し。 FUSION-PCが動けばどうせアインストールするし。
インストール完了後、再起動。
今度はHDDから立ち上がってきた。
めでたし、めでたし


FUSION−PCが動かない!!

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必要なファイルを一通りコピーすると今度はコマンドラインでの作業です。心配していたLS-120はDOSモードでもあっさり認識してくれた。特にドライバを組まなくてもA:もしくはB:として認識される。試しにWin95起動ディスクを入れたまま再起動したら立ち上がってしまった。このBIOS、マニュアルには書いてないけどLS-120からのブートをサポートしてたんだ。 (この後、BIOSのアップデートによりBootSequenceからLS-120を選べるようになった)
AUTOEXEC.BAT CONFIG.SYS MSDOS.SYSを編集し、FUSION-PCインストール。
FUSIONのSETUPを実行しても、スタートアップ画面(暗雲に稲妻みたいなヤツ)が表示されない。 Analyzing your system…と表示された後、SETUP画面になる。いつもと違うぞお?各所設定しFUSION実行。まずはMacOS7.53のCD-ROM起動、、、だめだ、、、 DOSプロンプトのままフリーズしちゃう。原因不明、、、 ROMファイル、DEVICEファイル、VESAドライバ等怪しそうな点をチェック。でもだめ。再インストール。それでもだめ。 SETUPの設定に目を通していると「SYS INFO」のVESAの欄が???に、もしやVGAカード?


Impressionに泣かされる

MGA Impression Lite、こいつが曲者でした。なんとVESA1.2に対応していない。こうなりゃDOSにドライバを組むしかない。
UNIVBEなるものを試す。これはVESA非対応のカードをDOS上でVESAとして認識させるユーティリティーらしい。おかげでVESAのバージョンは3.0になったのだがFUSION-PCは動かない、、、
ImpressionのDOS用VESAドライバが無いかとMatroxのサイトを検索する。
あったあった。これで安心。
ドライバインストール後SETUPを実行。
いつもの画面が出てきた!
SYS INFOでもVESAのバージョンは1.2と認識されている!
よ〜し、FUSION実行。
あれ?
うっそーやっぱりだめ?


あきらめてVGAカード買うか、、、
だめもとでFUSIONのビデオドライバをvesa_ref.fvdへ変更すると、、、
CD-ROMを読みに行ってるぞ。起動成功!
何事もなかったかのよにMacOSが立ち上がった。
デフォルトの設定で音もちゃんと出る。

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MacOS7.53のインストールは無事終了。
が、、、
マウスの動きがぎくしゃくするう、、、
256色までしか設定できない、、、
以前作った、Pentium-133+FUSION+Macの方がよっぽど使いやすい。
やはりVGAカードのせいかあ、、、


LS-120は×、認識せず?

MacOSがLS-120を認識しない。 FDDをA:としているため、DOS上でLS-120はB:と認識されているのだが。 BIOSを設定し直せば認識してくれるのかなあ。
A:のみ有効にしてあったのを、A:B:共に無効にしてみる、特に根拠はない。
認識せず。
B:のみ有効にしてみる、これも特に根拠はない。
認識せず。
A:B:共に有効。
認識せず。
A:有効、B:無効にし、3モードを有効に。根拠なし。
ここで変化が起きた、まさに奇跡、それは大袈裟だが。
A: Enable 1.44MB
B: Disable
3MODE Both
この設定でMacOSはLS-120を認識した。闇雲に設定していたにもかかわらず。これで本物のMacみたいにイジェクトボタンを押さなくてもディスクが取り出せる、、、
と思ったのもつかの間、LS-120のアイコンをゴミ箱へほうり込んでも、アイコンが消えるだけ。ディスクは出てこない。だめじゃん。
Windows95では右クリックで取り出しできるのに。
筐体にイジェクトボタンだけは付けたくない。極力DOS/V臭さを無くしたいからね。


でも考えてみたら近頃、フロッピーでデータの移動しないよなあ、、、
LS-120を入れてもまわりで持ってる人いないし、、、
よし!決めた!
MOでいこう!
LS-120は今回は保留。
こうして3.5インチベイには急遽MOを取り付けることに、、、
こんなこともあろうかと、SCSI 230MB MO(中古\12000)をGETしておいたのさ。
後日、LS-120は訳あって使用不能に、、、いじりすぎました。


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さらに、買っちまいました。 VGA & SCSIカード。
どちらも新品\3980
イカしてるね、このパッケージ。レジへ出すのも恥ずかしい。これならエロソフトの方がまだ買いやすいかも。(買いませんそんなもの)
が、しかし、、、どちらもハズレ
グラフィックカードは発熱が多すぎて10分でオーバーヒート。そしてフリーズ。そこで冷却ファンを増設。カードに風が直に当たるように設置したら止まらなくなった。冷やさなきゃダメね。
SCSIカードの方は付属のドライバがMOを認識しない!!というかドライバがSCSI IDチェックを始めるとMOに割り当てた番号で止まってしまう。他のマシンに組み込んであるモノを外して使うか、、、
SCSI:Western Digital WD7193
に差し替え、、、


筐体の加工&パーツの取り付け

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例によって邪魔な部分を削ります。

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電源とマザーボードを仮止めしたところ。
大きく見えた筐体も、パーツを入れてみると意外と小さい。発熱が心配。

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マザーボードとPCI/ISAカード類はかろうじて収まるんだけど、キーボード・VGA・SCSI・音声のコネクタが筐体に当ってしまう。筐体はもうこれ以上削れないし。
そこでコネクタをダイエット。これでなんとかクリア。

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背面のコネクタ類はなるべくMacのものを使いたいもんだね。
VGAカードからモニタ端子への接続には、モニタケーブルを加工しD-Sub15ピン2列のものを製作。さらにVGAモニタへは変換コネクタが必要。ややこしいけどMacっぽいでしょ。
マウス・キーボードコネクタはPS/2。本当はこれもADBにしたかった。形は似てるから良しとするか。

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SCSIはホストアダプタの外部接続端子から普通のSCSIケーブルを、リアパネルに取り付けたジェンダーチェンジャーへ結線しています。シリアルはMiniDINタイプにしてみました。
コネクタ類のリアパネルへの接着はシリコンシーラント(目地とかに使う、硬化するとゴム状になるヤツ)を使用。コネクタに使われているプラスチック(ポリカーボネイト?)は普通の接着剤ではつきません。

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一通り配線が終わったところ。
テープや結束バンドで固定していて、、、ジャンキーですね。ビス止めできなかったんです。


ソフトウエアパワーオフ

IT5VにはSTANDBY CONNECTORなるものがある。マニュアルによると5V_VSBとPOWER ONの入力端子のようだが。さらにATXやMacのような電子式電源スイッチ用コネクタもついている。メインボードの電源コネクタはAT用のためATX-AT変換ケーブルを使う。これだけでは単なるATになってしまうので、変換ケーブルを途中でブッチギり、5V_VSBとPOWER ON、この2本の線をSTANDBY CONNECTORへ結線。これでソフトウエアパワーオフが可能に。 WindowsがGUIで動いていれば終了と同時に電源も切れるがDOSモードでは、、、 探せばあるもんです。
「REIPL」これはDOSのコマンドラインからリブートやシャットダウンができるユーティリティー。
ダウンロードはこちら
これさえあれば本物のMacのように「システム終了」を選べば自動的に電源が落とせるようになります。
早速実験。
その前に以下の2行を書いたバッチファイルをFUSIONディレクトリ(フォルダ?)に作成(今回はFSN.BATとした)。

FUSION
REIPL -P

REIPL.EXEもFUSIONディレクトリにコピーしておくと失敗はないでしょう。 FUSIONを直接起動せず、このバッチファイルを実行。
コマンドラインより「FSN」とタイプしFUSIONを起動させ、MacOSが立ち上がったら、「特別」−「システム終了」を選択、すると、、、ほ〜ら、ちゃんとシャットダウンするじゃないっすか。こりゃMacっぽいぞ。


ディスクのイジェクト

MOやCD-ROMは通常FUSION終了時にオートイジェクトされますが、マウントされていないディスクはイジェクトされません。筐体にイジェクトボタンが無いので取り出せなくなってしまいます。そこで以下のユーティリティーを使うことにしました。


SCCTL〜SCSIドライブの制御。ダウンロードはこちら

TRAY〜CD-ROMドライブトレイの制御。ダウンロードはこちら

※TRAYはNEC PC-98用となっていますが、ウチのDOS/Vでも使えました。


FUSION終了後、ディスクを排出しパワーオフするバッチファイルの設定例。(FSN.BAT)

FUSION
C:\SCCTL\SCCTL *.4.*_E*
C:\DOS\TRAY E
C:\DOS\REIPL -P


FUSION−PC の自動起動

IIcxの改造でも述べましたがFUSION−PCを自動的に起動するためにはAUTOEXEC.BATに以下のコマンドを追加します。

CHEV US
CD_C:\FUSION
C:\FUSION\FSN

Win95DOSモードでUSモードへの切り替えは通常「US」コマンドを使用しますが、このコマンドを実行するとバッチ処理が終了してしまうため、「CHEV US」を使いました。
また、「CD」コマンドでFUSIONディレクトリへ移動しないと、FUSION−PCは動作しません。
「FSN」は上記のバッチファイルです。


完成

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どこから見てもMacですな。
ドライブベイは上から
・CD-ROM(スロットインタイプ)
・MO(230MB)
・FDD(ベゼルの奥、、、)

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リア。コネクタ類もMac!
モニタ・SCSI・モデム・キーボード・マウスの各ポートの位置はQuadra800の穴をそのまま使用。

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モニタはこのように繋ぎます。Apple純正モニターなら変換アダプターなしでも大丈夫なのかな?
モデムポートも生かしてあります。規格はRS-232。
MacOS上からインターネットもOK!! すご〜く遅いけど。
キーボード・マウスはPS/2。
プリンタポートはDOS/Vと規格が違うため結線していません。

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FDDは必要な時にベゼルをはずして使用。
ベゼルにマジックテープをつけ、いつでも脱着可能。


CONFIG.SYS

device=C:\DOS\himem.sys
devicehigh=C:\DOS\biling.sys
devicehigh=C:\DOS\jkeyb.sys /106 C:\DOS\jkeybrd.sys
devicehigh=C:\DOS\kkcfunc.sys
devicehigh=C:\DOS\ansi.sys
LASTDRIVE=Z
DEVICE=C:\WDSCSI\WD296.EXE
DEVICE=C:\COREL\UNI ASP.SYS
DEVICE=C:\DOS\ATAPI.SYS /D:LGCD001


AUTOEXEC.BAT

loadhigh C:\DOS\nlsfunc.exe C:\DOS\country.sys
PATH C:\;C:\DOS;C:\COREL;C:\SCCTL
CHEV US
SET GALAXY=A220 I5 D1 K10 P530 T6
SET BLASTER=A220 I5 D1 T4
SET SOUND=C:\SOUND16A
C:\SOUND16A\UTILITY\AZCAL.EXE
C:\DOS\MSCDEX.EXE /D:LGCD001
C:\DOS\MOUSE.COM
CD C:\FUSION
FSN


MSDOS.SYS

;SYS
[Paths]
HostWinBootDrv=C
[Options]
BootMulti=0
BootGUI=0
Logo=0
Network=0
※以下省略


FSN.BAT

FUSION
C:\SCCTL\SCCTL *.4.* E* /US
C:\DOS\TRAY E
C:\DOS\REIPL -P


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