最近アキバを徘徊していると、中古で激安の19〜21インチトリニトロンモニターをよく目にする。実売価格\5000〜\30000ってとこかな。(1999年8月現在)注意してみてみるとそれらの激安品は「Sun」だったりするんだよね。当然ワークステーション用。コネクターが13W3という特殊な形状をしていて、DOS/Vにも、Macにも、もちろんNECの98にも繋がらない。 Web上で調べてみるとSun GDM-1962(19″) GDM-20E20(20″) GDM-20D10(20″)等をWinやMacで使う例が載っていた。低予算で大画面が手に入るならこれはヤルしかないでしょう。
GDM-20D10はとにかくカッコイイ。トリニトロンだし、20インチだし、しかも安い。暇になったらアキバヘ探しに行こうと思っていたのだが、たまたまインターネットで、大阪の中古ショップ、 バスアンドタグのサイトにGDM-20D10を発見。気が付けば注文フォームを送信していた。
こんなものが要ります
GDM-20D10の同期信号はコンポジットで、コネクタは13W3。 DOS/Vの方は同期信号セパレート、コネクタはHD-15。接続には変換ケーブルが必要だね。ネットの情報を参考に自作。こんなの朝飯前。抵抗2本は13W3側のシェルに内蔵。配線図は以下の通り。必要最小限の結線しかしてないです。
13W3コネクタ
これ、使える?
名古屋、大須の某パーツショップで購入した 13W3<->HD-15変換アダプタ。
これはV-SyncとH-Syncがセパレートのまま結線されているため、一般のグラフィックカードでは使えません。ATi RAGEを搭載したWindowsマシンやMacのように、コンポジット出力が可能であれば使えるはずです。但し、コンポジット同期信号がVGAコネクタ (HD-15)の13番ピンに結線されていなければなりません。 Macへの接続には、DB-15(Mac用モニターコネクタ2列)<->VGA変換アダプタが必要な場合があります。
配線図は以下の通り。 HD-15の13番ピン及び13W3の5番ピンはH-Syncと記入してありますが、上記の場合、実際に流れる信号はC-Syncです。
同期周波数・解像度
GDM-20D10は一応マルチスキャンってことになっているけど、 SunのSPARC STATIONでの使用を前提に設計されているためか、どんな解像度・周波数でも同期できるわけではないみたい。
マニュアルには
解像度 | 1280×1024 | 1152×900 | 1280×1024 | 1152×900 |
水平同期 | 81.1kHz | 71.8kHz | 71.7kHz | 61.8kHz |
垂直同期 | 76 Hz | 77 Hz | 67 Hz | 66 Hz |
この4種類しか記載されていない。しかし、これ以外では全く映らないかというと、そうでもないらしい。
うちのマシンのグラフィックカードはMatroxG200だからドライバー(Matrox表示プロパティ)で同期周波数の細かい設定ができるんだけどね。 1280×1024/V-81kHz/H-76Hzなんて普通のドライバーじゃあ出せないでしょ。
でも、、、
DOSはどうなる?
BIOS SETUPは?
Linuxもだめ?
実際に繋いで試してみました。
BIOS SETUP | 31.4kHz/70Hz | 映らない |
DOSプロンプト | 31.3kHz/60Hz | しましまになる |
Win98起動・終了ロゴ | 31.3kHz/70Hz | 映らない |
Win98 Safe Mode | 31.3kHz/60Hz | 不明(たぶんダメでしょう) |
. | . | . |
Win98、「画面のプロパティ」での設定 1024×768 | ?kHz/75Hz | 映る |
Win98、「画面のプロパティ」での設定 1152×864 | 70or75Hz | 映る |
Win98、「画面のプロパティ」での設定 1280×1024 | 80kHz/75Hz | 映る |
Win98、「画面のプロパティ」での設定 1600×1200 | ?kHz/65Hz | 映る |
Win98、Matrox表示プロパティ」での設定 1280×1024 | 81kHz/76Hz | 映る |
. | . | . |
ゲーム(激走99) | . | . |
メニュー | 43.2kHz/85Hz | ダブって映る |
1152x864x16bit | 77.4kHz/85Hz | 映る |
800x600x16bit | 53.6kHz/85Hz | しましまになる |
. | . | . |
Win98インストール | 31.3kHz/60Hz | しましまになる |
※同期周波数はSony Multiscan17sf9での測定値
このようにWindowsがGUIで起動していないと、まともに映らないという難点があります。トラブったらマルチスキャンモニターが必要ですな。
このモニターの安全な導入方法は、やはり2台のモニターを使うことでしょう。
モニター切替器があると便利。
まず、設定用に他のマルチスキャンモニターへ繋ぐ。
↓
Win98の「画面のプロパティ」>>「設定」>>「詳細…」>>「モニタ」>>「変更…」
「SONY Multiscan20se」を選択。
「SUNNMON」(Sun Fixed Frequency Monitor)がインストール済みならばこちらを選択。
↓
「画面のプロパティ」>>「設定」
解像度1280×1024選択。
↓
「画面のプロパティ」>>「設定」>>「詳細…」>>「アダプタ」
リフレッシュレート75Hzに設定。
↓
ここでモニターをGDM-20D10へ繋ぎかえる。
多分映るはず、、、
↓
この設定が気に入らなければ、他の解像度やリフレッシュレートに変更。
※グラフィックカードと設定用モニターが、解像度1280×1024、リフレッシュレート75Hz、に対応している必要があります。もし対応していなければ以下の設定で試してみてください。
解像度1024×768、リフレッシュレート75Hz
解像度1152×864、リフレッシュレート70Hz又は75Hz
※起動時にパスワードを設定している場合、ログオン画面が乱れることがありますが、一旦「キャンセル」でログオンし、リフレッシュレート・解像度を設定すれば映ります。
「画面のプロパティ」で「解像度1600×1200」「リフレッシュレート65Hz」を試してみたところ、ちゃんと映ってしまった。でも、、、ちらつきが多くて使い物にはならない、、、
前記のようにMatroxのドライバーでは同期周波数の細かい設定ができます。
「Matrox表示プロパティ」で、1280×1024/V-81kHz/H-76Hzを基準に、垂直〜1kHzずつ、水平〜1Hzずつ周波数を変えてテストしてみた結果、下は1280×1024/V-60kHz/H-56Hzまで同期。まあ無理にこんな低周波数で使うこともないんですけど。
上は1280×1024/V-85kHz/H-80Hzまで試しましたが、これ以上はモニターが火を噴きそうなので止めときました。
最後に
やっぱりいいです。デカイ画面は。古いけど腐ってもトリニトロン。歪みも少ないし。
現在はV-Sync81kHz/H-Sync76Hzで快調に動いてます。ただ、変換ケーブルがいい加減だったためか、少しゴーストが出てしまいました。
難点はやはりWindowsがGUIで起動していないと使えないことでしょうか。ウチのマシンはATなので、Windows終了時に「電源を切る準備ができました」と出てくれないのは、ちょっと困ります。
トラブった時に備えて、小さいVGAモニターが欲しいなあ。9インチくらいの。それとも液晶にチャレンジしてみるか、、、